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日本経済新聞にCOOトランの記事が掲載されました

日本経済新聞にCOOトランの記事が掲載されました

パナリットCOOトラン・チーの記事「人的資本の開示を競争力に」が、11月23日日本経済新聞朝刊に掲載されました。記事の全文は以下に掲載しております。

ぜひ、ご一読下さい。

人的資本の開示を競争力に

筆者は人事データの分析ツールを提供する企業に勤めている。「人が最大の資産」とする企業は少なくないが、人材の資産価値を測り、経営戦略や意思決定に活用できている企業は限られる。人の資産価値を定量評価することには抵抗感もあるが、人材から創出される価値を経営資源として認識し、評価・管理し、企業価値として開示すべき部分を社内外のステークホルダーに積極的にアピールする時代に突入している。

国際社会や資本市場からも企業に対して「人的資本」の開示要請が強まっている。6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)では、新たに「人的資本や知的財産への投資」を開示すべきだという文言が盛り込まれた。企業は徐々に対応を始めたが、具体的に指針に言及されている事項は限られる。そのため企業は指標を独自に定義・取捨選択し、自社の優位性や独自性をアピールすることに腐心している。

人的資本を評価する上で、従業員が生み出した発明やノウハウなどの知的財産、社内外のネットワークの広がりや人材の多様性まで把握すると、人的資本の活用状況を語る際の説得力が増す。さらに財務資本と同じ要領で、人材の収益性・新陳代謝・健全性・成長性・多様性・公平性などの切り口で各指標を集約すれば、組織戦略上の優位性や、注力すべき課題に対する説明力も高まるのである。

正確かつ端的に指標を開示するためには、適切なデータの選択・蓄積・集計など、データ処理に関する専門性が求められる。残念ながら日本ではデータ専門人材の育成や活用が十分でなく、人事領域におけるデータの利活用は遅れていたため、適切なデータ処理を通じた開示のハードルは高い。

ただ、データ処理を円滑化するツールやサービスはすでに登場している。業務の過程で得られた情報やデータを処理し、意思決定の高度化を促すことが目的となるが、これらへの先行投資は企業の潜在競争力をよみがえらせるためにも必要不可欠である。

日本企業の技術力や国際競争力が落ち込む中、「人が最大の資産」だと実証するためのデータ分析への先行投資を、日本企業の飛躍につなげてもらいたい。

2021年11月23日日本経済新聞朝刊