これがMIXIのデータドリブン人事だ!〜データ活用の極意とは〜
2023年5月に開催されたパナリット主催のコミュニティイベント・第2回Friends of Panalytにて、株式会社MIXIの人事本部とHRBPの方4名に、各者各様の人事データ活用方法についてお話いただきました!
登壇者 ※登壇順
加藤里紗 様: 人事本部 人事戦略部 人事企画グループ マネージャー
前職では、人事部へ配属となり、労務・新卒採用・育成業務を経て、総合企画室で組織力強化・要員計画などに従事。その後MIXIへ転職。人事戦略部にて人事制度の見直しや評価制度の運用、経営人材の強化、サクセッションプランニング等に取り組む。
今井俊文 様: 人事本部付 ライフスタイル領域HRBP
金融機関・投資会社を経て、モバイルエンタメ企業でビジネス部門責任者、開発部長を経験。MIXIへ転職後、スマホゲーム開発組織の事業部長、NFT事業立ち上げ責任者ののち、現職のライフスタイル領域のHRBPに着任。ソーシャルベッティング事業本部の組織開発支援を兼務。主にビジネスサイド(マネジメント、事業戦略&事業開発、組織戦略&組織開発)にのバックグラウンドを持つ。
坂田信隆 様: ライブエクスペリエンス事業本部 企画推進部 HRBPグループ マネージャー 兼) 経営推進本部 経営企画部 グループ会社管理グループ マネージャー
大手通信キャリアにて7年間営業に従事した後、16年間人事本部でゼネラリストとして活躍。MIXIへ転職後は、人事本部にて3年半人事データ活用の飛躍的な推進を経験。社員の出向先でもあるグループ会社の管理業務も担当する。社会保険労務士。
水本敦則 様: デジタルエンターテインメント事業本部 HRBP部 部長
2004年MIXIへ入社(当時:株式会社イー・マーキュリー)。求人広告の制作業務を経て、最大で年間150名の採用、人事制度刷新や組織サーベイなどの人事企画、労務などの幅広い業務を担当。MIXIの創業期から成熟期に至るまで、経営に近いところで専任人事のトップとしてさまざまな成長フェーズを経験。
※所属部署は取材当時のものになります
目次
1. MIXIの人事概要
登壇者:人事本部 人事戦略部 人事企画グループ マネージャー 加藤里紗様
MIXIでは全社を管轄する「全社人事」と、事業部に所属しその部署の人事を担当するHRBPが協力して、人事業務を遂行しています。
本日は初めに、全社人事の私・加藤よりMIXI全体のお話をし、その後、部署の異なる3名のHRBPよりデータ活用の取り組みについてお話します。
HRBP設置の経緯
MIXIはパーパスとして「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む」 を掲げ、全く毛色の異なる4つの事業領域で展開しています。1つは、かつて社会現象にもなったSNS mixiを含むライフスタイル事業、2つ目はスマホゲーム「モンスターストライク」などを運営するデジタルエンターテインメント事業、3つ目はスポーツベッティング用アプリやFC東京などのスポーツチームの運営を手がけるスポーツ事業、それから投資事業の4つです。
これら4つの事業領域とその中で展開される様々な事業は、それぞれ規模や事業フェーズが大きく異なりますので、課題もバラバラです。それゆえ、一律の人事施策を展開しようとしても、 全ての事業部にとって最適な施策とはなりませんでした。そこで、全社人事と協力し課題を解決する重要な位置付けとして、いくつかの部署にHRBP(Human Resource Business Partner)を配置し、HRBPがそれぞれに最適な施策を考えることとしました。HRBPがいない部署は、全社人事の人間が担当になり支援します。
2年ほど前から一部の部署で組織開発の取り組みが活発になってきたとともに、HRBPの重要性が認識されはじめ、新たにHRBPが設置される部門も出てきました。今では異なる部門のHRBP同士の連携も始まるなど取り組みは全社的なものへと進化しています。現在、HRBPの役割をあらためて定義するなど、HRBP体制を強化する取り組みも進めています。
全社人事とHRBPの役割分担
全社人事はベースとなる制度や仕組みを検討・構築し、HRBPはそれを各事業部に最適化して運用する、というのが主な役割です。
以前には全社人事から施策を押し付けてしまい、各部門の役職者から「うちの事業部には合わない」「他に優先事項がある」などの理由で反対されうまくいかないこともありました。今は、現場をよく知るHRBPと全社人事が連携をとることでスムーズに施策を展開したり、事業部独自の施策で良いものは全社に取り入れるなど、双方向に影響し、協力する関係にあります。
人事データ活用状況
弊社の人事データ活用については、パナリットによる「データの民主化」の功績が大きかったと考えます。
以前は、HRBPからその事業部の人事データが欲しいと言われると、 データを持つ労務部にその都度申請する必要があり、データ入手までに1週間〜1ヶ月かかっていました。パナリットを導入した今では、毎月労務部が人事戦略部へデータを連携し、人事戦略部がパナリットにアップロードして、HRBPはいつでも見たい時にデータを見られるようになりました。
この人事データの民主化は、細かな閲覧権限の設定ができるからこそ実現しました。HRBPは自部門の必要なデータのみにアクセスできるようにしています。意外とこの設定ができないサービスも多いですが、パナリットは非常に柔軟に閲覧権限を設定できました。
他にもいくつかのツールやプラットフォームを利用していますが、従業員情報の更新等、手間もかかります。人事戦略部内にメンテナンスを担当してくれているチームがあるので助かっています。
複数のツールのメンテナンスは大変ですが、パナリットは生データに近いものをお渡しすればクレンジングもやってくれるので、非常にありがたいです。
2. HRBPとして事業価値の向上にコミット
スピーカー:株式会社MIXI 人事本部付 ライフスタイル領域HRBP 今井俊文様
昨年HRBPに就任しました。それまでは人事の経験はなく、事業の立ち上げや開発を主にやってきました。事業部でもコーポレートでも手段が違うだけで、事業価値の向上にコミットするという目的は同じと考え取り組んでいます。
ライフスタイル事業部におけるHRBPの役割
ライフスタイル事業部はVantageスタジオと名付けられ、「世界中の人たちが夢中になって使う、驚きと喜びのある新しいコミュニケーションサービスを創る」をミッションとして、それぞれ性質の異なる5つの事業を運営しています(下図参照)。
業況としては、「家族アルバム みてね」および「みてね経済圏」の成長が牽引し、ライフスタイル領域全体も非常に順調に成長して、当社の重点領域事業となっています。
各領域それぞれに状況や性質が異なるため、HRBPとしての関わり方も事業ごとに柔軟に変えています。組織規模が大きく特に注力している「みてね」と「minimo」の2つの事業部での関わり方をご紹介します。
まず、みてねに関して4点です。
1.事業戦略から組織戦略への落とし込み
昨年11月にHRBPに就任してから、グロース戦略を実行に移すための組織設計について話し合うため、事業責任者、マネージャー陣と毎週「ミライ会議」を行いました。
ミライ会議では、組織課題についての認識を揃え、どのような組織にしていきたいかを、開発やビジネス領域などそれぞれの視点から議論します。私は、そのファシリテーションや、全社人事と経営陣など関係者とのコンセンサスメイクをリードしました。
2.人員予算策定支援
組織設計・採用枠設計です。事業戦略を達成するためには、どういった組織作りや採用をするべきか議論しています。
3.組織の立ち上げ支援
事業部内の組織開発機能立ち上げの支援です。これは、人事の人間としてサポートしているというよりは、組織の中に入り込んで、リーダーとして組織立ち上げやメンバーのマネジメントを担当しています。
4.成長育成支援
マネージャー陣との1on1や、研修の設計をしています。研修は、外部の研修を事業ステータスやマネージャーの状況の条件に合わせてアレンジしたもので、企画・設計から実施まで担当しています。中でも効果的だったものや、好評だったものについては、社内のHRBPの情報共有・連携を目的とした定例会議でも紹介します。
minimoに関してですが、グロース戦略の策定支援や組織の成長支援や個人の育成支援など、みてねと似ているところもあります。
一方特殊なのは、事業の今後の方向性や戦略に関して事業責任者やマネージャー陣の相談相手をしている割合は、みてねよりも高くなっており、これは自分のバックグラウンドを活かした関わり方・特徴と言えます。
HRBPとは
HRBPを事業部付人事というラベリングをすることもあるかと思いますが、前述の通り、私は、事業部もHRBPも、事業価値の向上にコミットするという点で目的は同じだと考えています。
すなわちHRBPで大切なことは、HRの手段を用いてビジネスパートナーとして事業価値を向上させることと、責任者と同じ目線で事業組織を考えることだと思います。私は、コーポレート人事の経験はありませんが、事業価値・組織価値を高めるという点でこれまでの経験を活かせると思いますし、むしろ人事領域にこだわらずに積極的にはみ出すことを意識して取り組んでいます。
データ活用 現状とこれから
私の担当組織においては、Qualtricsという全社で導入しているエンゲージメントサーベイのツールを活用し、サーベイの結果をベースに経営組織課題の洗い出しをしたり、今後の対策を議論したりしています。また、独自の取り組みとして、適性検査や組織マッチングを行うSaaSソリューションを試験導入しています。
現状データの活用により、全体の傾向把握はできるようになっていますが、今後は、組織全体での活用やデータを何に繋げていくかといった、さらなる活用を推進したいと考えています。
今後パナリットのデータを使ってしたいことは、主に「組織戦略」「採用・オンボーディング」「育成・評価」です。
パナリットだと、全体や各組織の状況を多角的に把握できるため、組織の戦略立案ができます。また、すぐにデータを時系列で見られるので、各種サーベイの結果から仮説・課題を見つける時や、施策の検証に活用したいと思います。
採用やオンボーディングでは、採用の歩留まりや競争力の可視化により、採用力を高められるのではないかと考えます。まずは入社後の定着率やパフォーマンス等を分析して、オンボーディング改善に繋げたいです。
育成・評価の分野では、ネットワーク分析を活用した育成施策の企画立案や、評価会議でのデータ活用を推進したいです。評価会議というのは回を重ねるごとに課題が出てきますので、そのトラッキングやキャリブレーションには、データ活用が非常に有効と考えます。
3. 社員一人一人と向きあう魅力的な組織作り
登壇者: ライブエクスペリエンス事業本部 企画推進部 HRBPグループ マネージャー 兼) 経営推進本部 経営企画部 グループ会社管理グループ マネージャー 坂田信隆 様
人事データの進歩
これまで、大手通信キャリアへ新卒で入社し、そこで営業を7年と人事本部を16年経験しました。それからMIXIへ移り、人事本部へ。人事の経験は20 年ほどになります。
私がMIXIに入社した時の人事本部は組織として新設されたばかりでした。その後、ペルソナと組織作りが行われパナリットが導入されて、弊社の人事は大きく進歩しました。以前から比較して考えると、夢のような状況だと思います。パナリットを初めて見た時は、これまでデータ作成にかけていた多大な工数がこんな一瞬で終わるなんて、と感動しました。
ライブエクスペリエンス事業におけるHRBPの役割
ライブエクスペリエンス事業では、スポーツ領域と音楽領域の2つを手がけ、東京フットボール株式会社や株式会社千葉ジェッツふなばしなどのグループ会社があります。
特徴としては、80人ほど在籍する社員のうち、30 名強が別の会社へ出向している点が挙げられます。
ライブエクスペリエンス本部における、HRBPの役割を3点挙げます。1つ目は組織問題解決と管理職のサポート、2つ目は社員一人一人に向き合った対応をすること、最後は子会社の人事領域をサポートすることです。
子会社である東京フットボールクラブ株式会社や株式会社千葉ジェッツふなばしなどの人事業務を一部担当したり、出向先の管理部門と連携して対応したりすることが多いです。自分の本部だけでなく、社員の出向先の社風や就業規則等のルール、出向者と出向先プロパー社員の関係性などまで気を配らないといけませんので、この 2 番目の「一人一人と向き合う」ということを非常に重要視しています。現在社員数は 80 人程度ですが、昨年の着任時にはまず社員全員と面談して各人の状況を把握しました。困ったことがあればすぐ相談してもらえる関係を構築したいと思っています。
以前の人事は、社員が進路に悩んでいた場合、他社に転職させないということを重視し場当たり的な対応が散見されましたが、今は、いかに会社・本部を魅力がある組織にしておくかに、日々注力すべきと思います。 MIXI には出戻りの社員も一定数おりますが、その時々の魅力を感じて、戻ってきてくれたのだろうと思います。
魅力的な組織を作るために一番意識しているのは、短期的ではなく長期的な視点で問題を見極めることです。例えば、ある社員がメンタル不調となった時には、その社員に問題があるのか、それともマネジメントや会社の問題なのかきちんと考えます。短期的な解決策としてその方に休養していただくだけでなく、マネジメントと話をするなど、組織や会社に問題がないか並行して調査し解決しておくことが、長期的には非常に大事だと思います。
パナリットの活用方法
主に3つのシーンでパナリットを利用しています。
・施策検討時
よく利用するのは年2回の評価の際です。例えば以前、時系列で過去の評価を確認したところ、3 回前から急に評価が良くなっていたことがありました。マネージャーに確認すると、当時イベントがあって全体的に評価が高くなり、それが高いまま継続していたのです。それを是正しました。評価者は、前回、前々回の評価に引っ張られがちなので、データによるコントロールは大切です。
・社員面談時
以前は社員面談の前に、入手可能な本人情報を事前に確認して面談に臨んでいました。しかし最近は、先入観なくフラットに判断できるよう、概要だけをチェックしています。平均年齢や評価傾向など、その所属する部署の傾向を把握しておくことは重要なものですが、パナリットがあれば事足りる状況です。
・日常的に
部長や役員から数字を尋ねられた時に、すぐにパナリットで調べて回答しています。また人事の嗜みとして自分の部署について知るのは大切だと思いますので、普段から見ておくと何か起きた際にすぐに対応しやすいと思います。
4. 組織アプローチによるHRBPの事業貢献
登壇者: デジタルエンターテインメント事業本部 HRBP部 部長 水本敦則 様
事業責任者のケイパビリティによって変わる 事業への関わり方
HRBPがビジネスパートナーとしてどう事業へ関わるかは、事業フェーズや事業責任者のケイパビリティによって変わります。
私がHRBPに就任したのが2019 年9月ですが、当時のデジタルエンターテインメント事業(モンスト事業)本部は同年の5月に事業のトップが交代、事業自体のフェーズも変わる中、戦略を変えないといけない転換のフェーズでした。この時の事業責任者はプロダクトのプロモーションの経歴が豊富ではあるものの、事業という観点での戦略設計は得意領域ではありませんでした。そのため支援組織として事業戦略草案の立案から私ともう一名の戦略担当者で行いました。その戦略を元にHRBPとして戦略実行に必要な組織設計、組織運営における各組織の機能支援や、組織負債の解消(組織の再構築)を担当しました。
2023 年 4 月に、事業責任者が代わり、それに伴い私たちの役割も少し変わりました。 事業責任者の強みが、事業設計と推進だったためHRBPは戦略設計は行わず、事業責任者の戦略案を実行するための組織戦略とその実行(具体的にはHRMの 設計導入、組織・個人の成長支援、組織の運用の支援など)を担当しています。
組織アプローチによる事業貢献
2019年の配属当時、本部が抱えるゲームタイトルはモンスト(モンスターストライク)のみという状況でした。モンスト自体の利益は大きいものの将来的に避けて通れないモンストの減衰に備える必要があり、そのため新規ゲームタイトルを産み出す組織を作ることを戦略の草案に含めました。新規タイトルの創出という点でのケイパビリティが全くない状態から「どのくらいの期間で」「どのようにして」という組織観点でコンセプトをHRBPで策定し、戦略担当者がマーケット調査と必要コストの換算を行い最終の戦略案を策定し現在の事業責任者を迎え入れ戦略のアップデートと実行をパスするところまでを、当時の事業責任者、戦略担当者、HRBPで推進していました。
事業責任者が意思決定、戦略担当者がマーケティング設計、HRBPが実行体制設計という役割分担で立ち上げフェーズを実行できた事例と言えるかと思います。
2019年の転換期に戦略変更を行った際に機能組織の改善もおこなっています。
具体的には、マーケティング組織とデザイン組織の再編を実施しています。マーケティング組織はプロモーション機能を主として担っていたのですが、長期運営のなかで作られたプロモーションの型のようなものがプロダクトとの並走を阻害している状況が散見されている状態でした。そのため、施策の見直しと最適化を図るために必要最小限度のプロモーションになるように、人員を削減することで実施可能なプロモーション施策を最小限度に抑えるというアクションをとりました。
事前に、プロダクトへのプロモーションの寄与の想定をして上で意思決定したこともあり、広告宣伝費は大幅な削減になりましたがプロダクトの売上は下がらず、利益が上がるという状況をつくることができました。
もちろん、プロダクトサイドの綿密な計画と実行が売上と利益の数字を作っているので、組織再編で利益が上がったといい切れる部分ではないのですが、HR領域からも事業数字に貢献できたかと思います。
組織アプローチによって必要な機能を最適化すれば事業貢献できることを示す事例として紹介しました。
データ活用状況
データ活用の状況ですが、デジタルエンターテイメント事業本部ではこちらの6つのツールを使用しています(下図参照)。
人事データベースとしてはPanalytが全社共通のツール、Lookerが本部のみのツール、タレントマネジメントとしてはカオナビが全社共通のツール、Mitsukariが本部のみのツールです。他に全社共通のツールとして、勤怠モニタリングとサーベイをとるQualtricsがあります。Qualtricsを全社で導入する以前はGoogleFormでパルスサーベイを取っていました。
部分的に本部のみのツールもありますが、人事データに関しては大元のデータはすべて全社人事の管理下にあります。そのデータを各ツールにインポートしたものをHRBPが扱うとおいう構造がつくられています。このインポート部分を全社人事のデータチームが担っているため、HRBPとしてはデータチームにどのデータをどんな形式で見たいかを伝えるだけで、非常に綺麗に整備された情報を各ツールで扱えるようにオペレーションしてくれるので、HRBPはデータを活用するところから始められ事業の推進に集中できています。
具体的なツールをどのように活用しているのかご紹介します。
データ活用例1 パナリットで全体の傾向を把握し、Lookerで詳細を確認
パナリットとLookerの違いですが、私はパナリットを全体の傾向や特徴を把握するのに使用しています。パナリットで見つけた特徴をLookerで深掘りします。
例えば人員推移の全体感をPanalytで見ている際に、人員の増減が大きい部分をぱっと見つけたとします。増減があったという事実はわかるものの、その内訳をみることで理由までが明確になるため、その後Lookerで、既存事業と新規事業に関わる人数で切ったり、職能ごとの推移で切って数字の中身を見ていくというようなことを行っています。
データ活用例2 評価前の認識のすり合わせ
昇給や給与・賞与の状況が事業状況と合っているかをデータで確認し、部長などの評価者と認識をすり合わせています。例えば「今回の事業状況は前年比で改善しているが、評価はどれくらい上げるか」といった具合です。他には、過去の評価分布を見て給与水準の議論をしたりします。
データ活用例3 人材タイプを活用したオンボーディング(Mitsukari )
Mitsukari は性格診断をベースにした採用時の評価ツールなのですが、私たちは採用時ではなくオンボーディングに使っています。例えば、インターン生の受け入れ時に配属先の担当者と相性診断をして共有し、アイスブレイクやコミュニケーションのきっかけとして使っています。
データ活用例4 ロールごとのケイパビリティ把握
人的資源を可視化・管理して、それを事業戦略の中で活用するため、各職種に必要なケイパビリティを把握しようとしています。まず、それぞれの職種やマネジメントにロールを定義し、レベル1から6までロールレベルを設定します。そして、例えば「現状はレベル6のマーケターは 2人いるが、本当は 3 人欲しい」などというように、必要人数を可視化して人員計画を立てられるようにしたいと考えています。
データ活用例5 事業数値に対するROIのモニタリング
HRBPとファイナンス担当(経営企画や経営管理)がタッグを組み、人と金の両面から事業モニタリングする方法を模索中です。例えば、見ている指標の一つに「固定人件費に対する ROI」があります。今のモンストの事業状況において、人件費はどれほどに抑えるべきかや、新規投資のリクープ(費用回収)や事業の再成長までの猶予期間などを数値化したいと考え、事業管理のメンバーとディスカッションを重ねています。