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人事は必ず知っておくべき離職率の見方・考え方

人事は必ず知っておくべき離職率の見方・考え方

こちらの記事は 2 部構成となっています。前編記事はこちらをご覧ください。

(ライター紹介)

Chi Tran

新卒でBCGに入社後、Recruit Holdings、Googleなどで、新規事業開発・DX(デジタル・トランスフォーメーション)・組織の意思決定支援システムに関わるコンサルティングや事業/ 営業推進に従事。Recruitでは最年少幹部候補、GoogleではAPACでのベスト5 コーチに任命

目次

  • 離職率の解像度をさらにあげるには
  • Regret と non-regret について
  • 3 ヶ月以内離職率/ 1年以内離職率
  • 最後に

離職率の解像度をさらにあげるには

次に大事なことはどのようにこのデータを扱うか、ということです。

まず、離職率は企業の「新陳代謝」を表している、と考えるとわかりやすいと思います。生物が長い期間生きながらえて繁栄するために、新陳代謝で古い細胞と新しい細胞を入れ替えることが必要なように、企業も新陳代謝を行う必要があります。つまり、離職率の値が 0 に近いからといって、企業の状態がいいとは言い切れません。

雇用の流動性とイノベーションは密接に関係している、という意見も昨今よく聞かれるようになりました。(※1) このように、離職率が低い = 良い ではないということは十分に理解しておく必要があります。

さらに離職率の状況を解像度高く解釈するためには、

・Regret / Non-regret

・3 ヶ月以内離職率/ 1 年以内離職率

を併せてみるべきです。順に解説していきます。

Regret と non-regret について

Regretとnon-regretとは、辞めた人がregret (辞めて欲しくない人)だったか、non-regret(辞められてもいい人)だったか、という観点です。

日本の企業では、このような観点をお話しすると驚かれる方がいます。しかし「会社が雇用者を選ぶように、雇用者も会社を選びやすい時代になった」という前提で、双方のミスマッチを早期解消する上でも、合理的な考え方だと言えます。したがってデータ・ドリブンな人事で正しい意思決定を行う上では重要な観点です。

Regret、non-regretであるとは例えば、

Regret 

・一貫して高評価を獲得していたにも関わらず競合企業に移籍してしまった

・重要なポストに任命していたが他に適任者がおらず苦慮している

Non-regret

・ローパフォーマンスで生産性の低い社員

・パフォーマンスを向上するよう会社から求められていた社員

などがあげられます。このような観点を併せて離職率をみると、より解像度の高い意思決定ができるはずです。同じパーセンテージでもregretのみが辞めているときとnon-regretのみが辞めている状況とを比べるのとでは全く違う話です。

次に、ある社員がregretかnon-regretかをどのように判定するか、ですがそこには特に決まった決定方法というものはなく、基本的には各社各様のルールにしたがって決定することになります。通常は人事部など中立的立場にある人が、元上司・同僚などのヒアリング結果も勘案しながら判定します。私たち(パナリット)としては以下の意思決定ツリーを使うことを提案しております。意思決定が難しいと感じる場合はご参考ください。

Regret, non-Regretの意思決定ツリー

3 ヶ月以内離職率/ 1年以内離職率

離職率をみるにあたって、もう 1 つ重要な観点が「 3 ヶ月以内離職率」や「 1 年以内離職率」です。それぞれ入社してから 3 ヶ月以内、1 年以内に辞めた人の割合を算出したもので、分母は入社して 3 ヶ月以内の人数の平均、1 年以内の人数の平均です。

特に近年は若手社員の離職率の高まりに課題を感じている企業が増えています。また、雇用の流動化も激しくなっています。従業員が「入社前に思っていた印象と違う」「やりたかったことが実現できなさそうだ」と思ったら、簡単に見切りをつけられてしまうようになりました。

採用にはそれなりの費用がかかりますし、入社後に経験を積んで活躍してもらうまでには一定の時間はかかります。毎年雇ってもすぐに辞めてしまう社員が多ければ、それだけ採用にかかる工数も増え、さらに費用もかさみます。採用時や配属時のミスマッチを防ぐ上でも、3 ヶ月や 1 年以内といった早期の離職率をしっかりと追っておくことは重要です。

最後に

離職率の考え方と見方はお分かりになっていただけたと思います。最後に、最も重要なのはこのデータをどう活かすか、ということです。報告や意思決定の際には、離職率という指標を単なる数字として認識するのではなく、ある値を示している理由を考え、適切な仮説の元で施策を検証していくことが何より大切です。

この記事があなたの意思決定の一助になれば幸いです。

もっとピープルアナリティクスについて知りたい方はこちら

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参考文献

厚生労働省HP 雇用動向調査:調査の結果

How can turnover be over 100%?  ( HRANALYTICS101.COM )

※1雇用の流動性とイノベーションは密接に関係している

(https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1806/22/news020_2.html)