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第2回Panalyt Academy 実施レポート

2024-10-02
第2回Panalyt Academy 実施レポート

実施レポート目次

イベント概要 / About Panalyt Academy

Panalyt Academy(パナリット アカデミー)は、パナリットをご利用いただいているユーザーの皆さまが一堂に会し、経験や知識を共有する場として企画されました。また、パナリットより人事データに基づいた戦略立案までのフレームワークを学ぶコンテンツを実施し、人事データ活用に関して体系立てて学ぶ機会も提供しています。

ユーザーさま同士がつながりを深め、互いに情報をシェアし学び合うことで、各社が人事データの価値を最大限に引き出し、人事の側面から企業を底上げする。それが私たちの願いです。

当日の様子

第2回となる今回は、前回好評だった「人事データ活用塾」を中心に実施しました。「人事データ活用塾」ではエンゲージメントを切り口に、データに基づいた課題仮説の立て方から仮説に基づくアクションプランの策定までを、ワークを通じて実践的に学んでいただきました。参加された皆さんからは様々な観点の解決案が出され、その後の懇親会ではパナリットの活用や人事課題に関して活発な意見交換が行われました。

【コンテンツ内容】

・パナリットより最新の機能紹介

・第2回  人事データ活用塾

・懇親会

パナリットより最新の機能紹介

こちらでは、今後パナリットで開発を予定している機能をご紹介しました。まず初めに、経営陣に短い時間でHRデータの現状を把握してもらう、または人事定例の会議のはじめに自社の最新のHRデータを基にヘルスチェックを行う、そういったニーズにお応えするため、一画面に自社の必要なHRデータを自由にデザインできる「ストーリーボード」をご紹介しました。新機能となる「ストーリーボード」では、指標・グラフの種類・レイアウト・集計期間などを、自由自在にカスタマイズし、ダッシュボードを作成することが可能となります。

そのほか、要員計画に活用していただく要員シミュレーションのダッシュボードや、ユーザーがより簡単に知りたいデータにアクセスすることをサポートするAIアシスタント機能に関してご紹介しました。

第2回  人事データ活用塾

社内で実際に起こりうるユースケースを題材に、どのようなステップを経て問題解決していくのかを、追体験していただく「人事データ活用塾」。今回のテーマは、人的資本経営でも注目されるエンゲージメント。多くの企業が有価証券報告書の人材戦略においてもエンゲージメントに関して言及しています。しかし、エンゲージメントスコアを取得した後、部署ごとのフィードバックで終わってしまい、次の一手をどう進めるべきか悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?

今回の人事データ活用塾では、以下5つのテーマを設けエンゲージメントを深掘りしていきました。また、架空のエンゲージメント結果データをもとに考察を進めていくことで、自社に戻った時にもデータドリブンな課題解決をするためのヒントを持ち帰っていただける内容となりました。

Q1. 当社にとってのエンゲージメントの重点項目を、どうやって決めるべきか?
Q2. 「働きがい」スコアの改善に向けて、有効な施策は何か?
Q3. スコアが低い部署に対して、どのようにコミュニケーションすべきか?
Q4. エンゲージメントサーベイの回答率を高めるには?
Q5. エンゲージメントスコアが改善しても、業績や生産性が改善しないケースとは?

Q1. 当社にとってのエンゲージメントの重点項目を、どうやって決めるべきか?

最初からなかなか難しい議題でしたが、皆さんしっかり検討されていました。

印象的な回答として、

「従業員の意識を変えていくことの大切さを企業のビジョンに掲げているため、

 従業員の意識変革に繋がるよう項目を決定していくと良さそう」

という回答がありました。

大上段のビジョンをブレイクダウンする形で検討をするという模範的な回答が第一問から出てきて、幸先のよいワークショップとなりました。

Q2. 「働きがい」スコアの改善に向けて、有効な施策は何か?

続いて、Excelデータを紙で配布し、そのデータを基に施策を導くという課題にチャレンジしていただきました。

「評価が高い人や、同一職務等級での在籍年数が長い人が働きがいスコアが低くなる傾向があるので、給与テーブルに問題があるのではないか」

「評価に見合った給与テーブルにしないと、長く勤めた優秀な人材が退職するリスクに繋がるのではないか」

「相関があるかまずは確認する」

「在職期間と評価が相関すると思うので、上長評価を確認していく」

「チームとしての一体感がないという声が上がる場合は、方向性がメンバーにおりていない」

「自社の中期経営計画を踏まえて、エンゲージメントスコアを管理職だけでなくメンバーにも見せるべきだ」

等、配布したデータ以外にも自社の中期経営計画も踏まえて、立体的な考察をしてくださった企業もありました。その後の解説では、パナリットではどのような示唆を導けるかを紹介しました。

必要なデータが、必要な粒度で、電子データで揃っていると、様々な示唆を導きやすいということを改めて実感していただけたかと思います。人事部は他領域に比べて因果関係を追いにくい領域であり、擬似相関の可能性が高くなりやすい傾向にありますが、様々なデータ項目を時系列で蓄積していくことで、擬似相関も少しずつ排除できるようになるということを紹介しました。

Q3. スコアが低い部署に対して、どのようにコミュニケーションすべきか?

現場管理職「エンゲージメントスコアを上げても人事が喜ぶだけでしょう」

人事部「いえ、現場メンバーのスコアが上がって生産性が上がると、管理職の評価も上がって給与にも反映されますよ」

と、相手の目線に立ったコミュニケーションをすることが大切だという回答がありました。

他にも、「『あなたの部署のスコアが低いです』といきなり持っていくのではなく、スコアが低い仮説と対策もセットで持っていく」という提言もありました。

人事課題を全社(各部署)に適切に伝え改善を促すことも人事の重要な役割の一つです。分析結果だけを頼りに判断し、現場にただネクストアクションを依頼するのではなく、人事業務を理解した上で受け取り手の気持ちも考慮しつつ、推奨されるネクストアクションを伝え改善へと導くことの大切さを考えさせられる回答でした。

Q4. エンゲージメントサーベイの回答率を高めるには?

「自社ではエンゲージメントサーベイの結果を全社に開示しているので、それが功を奏して回答率が96%になっていると考えている」という素晴らしい回答がありました。

企業によってはエンゲージメントサーベイをやったまま結果を公開しないため、何が課題で何がネクストアクションか不明なケースも、残念ながら多く発生しているのが現状です。

パナリットからは、

「サーベイの目的によっては、必ずしも回答率を高める必要はない」

「適切な対象者グループから回答をしてもらうことが重要であり、回答率を高める必要性は必ずしもない」

という解説がありました。

設定された問題自体が誤っていることにどれだけ気づけるか、という少し意地悪な?議題でしたね。

しかし、与えられた分析テーマに早々と着手するものの、議題自体が誤っているというのはデータアナリティクス領域ではあるあるです。それに気づいてもらいたいという気持ちを含めた議題でした。

Q5. エンゲージメントスコアが改善しても、業績や生産性が改善しないケースとは?

「トータルのエンゲージメントスコアと生産性は必ずしも上がらないのではないか」

「売上は外部環境の影響も大きいので、エンゲージメントスコア以外の要素も複合的に関係しているのではないか」という回答をいただきました。人的資本開示が加熱し、エンゲージメント向上が叫ばれる中、何のためにエンゲージメントを向上するのか、向上したら何につながるのかという部分は感覚ではなくデータに基づいてしっかり見極めていく必要がありそうです。

懇親会

懇親会では、エンゲージメントサーベイをどのようにしているか、要員計画に関して何か取り組んでいることはないかといった大きなテーマの話から、パナリットをどういった目的で使っているのか、どのような指標を何のために見ているのかといった具体的な話まで、さまざまな粒度や角度での情報交換が行われていました。

[参加者の声]

・改めて感覚ではなくデータを基に事実をしっかり見ていくという重要性を感じた

・サーベイ系はやって満足してしまいがちだったが、ワークを通じてしっかりと改善施策まで落とし込んで実行するプロセスのイメージがついた

・導入期間が同じくらいの他社と話ができ、今後のパナリットプロジェクトの進め方のヒントがもらえた

今後も定期的にPanalyt Academyは実施していく予定です。ユーザーの皆さま、ぜひご活用ください!

Panalyt Academy 第1回の実施レポートはこちら